なるほどえたきちのブログじゃねーの

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【Nintendo Switch】旧プロコン魔改造キット FireBird For Pro-Controller 組み立てガイド

はじめに

概要

Switchプロコン改造キットとして開発した「FireBird For Pro-Controller」の導入手順をまとめたものです。
機能説明などは散々やってきたのですが、肝心の組み立てガイドを作っていなかったので今更ながら記事にしました。
この記事から見る人もいるかもしれないのでざっくりとキット自体の説明も載せておきます。

商品ページ

Boothにて公開しています。
bzl.booth.pm

何ができるキットなの?

大雑把に纏めると以下の通りです。

・USBマイコンであるRP2040で駆動するコントローラー基板
・ホールセンサースティック化による耐久性向上
・PCと任天堂製据え置きハードほぼ全て(NewFC~Switch2)で使用可能
・USB接続時の1F遅延を解消し、Switchのフレームレートに同期して通信する
・スティックを弾いた際の跳ね戻りをフィルタリング
・有線コントローラー化する都合上、大会などで同期切りの必要がなくなる
Xbox Elite 2やDualSense Edgeにあるような専用ソフトによる詳細設定
・PC接続時ポーリングレート1000Hz

詳細は過去に書いたこちらの記事を参照していただければと思います。
blog.bzl-web.com

ソフトウェアの機能自体は市場にあるDualSense Edgeなどの高価格帯コントローラーやVader 4 Proといった中華コンと比較しても遜色ない仕上がりになっているかと思います。
旧Switchプロコンの性能的なネックを解消するだけに留まらず、この形状の有線コントローラーとしてやれることは一通りやってしまおう、という感じのコンセプトです。
互換シェルやボタン類のカラーバリエーションも豊富なので、好きな見た目で高性能なコントローラーを作れるという点も長所になり得るかな?と思っています。
シェル加工などの手間を惜しまないのであれば、USBケーブルを直接内部接続したり、割り当て変更可能な背面ボタンを4つまで追加したり...といったことも可能です。

Switch2が発売されると同時にプロコン2も発売され、旧プロコンが不要になってしまったという方は多いかと思います。
また、フリマアプリでもジャンク品の価格は以前と比べて低下気味で、素体の入手は比較的しやすいです。
基本的にプロコンのジャンク品で破損していることの多い部分はスティックで、このキットに換装する時点でその部分は新調されます。
そのため、使用する上で不都合が生じることは殆どないかと思います。

組み付け手順

使用されているネジ



4種類(A,B,C,D)あります。
また、その内1種類(D)はバッテリー接続基板を固定するものなのでFireBirdでは使用しません。

メイン基板組み付け手順

FireBirdのソフトウェア的な機能はメイン基板の組み付けだけでほぼ全て利用することができます。
振動不要であればドライバーのみで可能なので、敷居は高くないかと思います。

グリップを外す


まずは左右のグリップを取り外します。
ネジAで固定されており、精密ドライバーとして売られていることが多い00番のプラスドライバーが適合します。
全体を通して一番ガッチリ締まっているネジがここですが、適切な工具を使えば舐めることはないはずです。
同じ00番の中でもグリップが太めのものを使うのがおすすめです。



ネジを外した後は普通に引き抜けます。

バックシェルを外す



ネジBで固定されています。
ネジは4箇所ですが、ツメによる軽めの固定もあります。

バッテリーを外す



左側から持ち上げて外します。

フロントシェルとミドルシェルを分離する



ネジCで固定されています。
5箇所外した後、シェルの隙間にヘラや爪を入れてこじ開けます。


左右のグリップ部分にモーターがありますが、このモーター上部に貼り付けられた両面テープでシェル同士が貼り付いているような形になっています。
ネジを外した後、グリップ周りにできた隙間をゆっくりこじ開けてテープを剥がしてください。


また、基板はフロントシェル側とミドルシェル側の2枚で分かれており、リボンケーブルで接続されています。
勢い余って切ってしまわないように注意しましょう。(FireBirdのキット内に予備が2本入っているので、万が一のことがあっても詰まることはありません)


シェルを完全に分離するために、フロントシェル側の接続コネクタからリボンケーブルを抜きます。
ロック(コネクタの黒い部分)が付いているので、マイナスドライバーやピンセットなどを使用して上に持ち上げるような形で開けます。


ミドルシェル側です。
こちらに取り付けられている基板がプロコンのメイン基板です。

モーターのケーブルを切る

メイン基板を交換するにあたって、モーターが邪魔になるのと再利用する可能性があるのでケーブルを切断します。
長さは十分にあるので、多少切った程度であれば再度ハンダ付けする際の支障にはなりません。



純正基板にキズを付けるのが気になる場合、基板側の根元から少し浮かせた場所で切ると良いです。


分かりやすいように左右のケーブルをシェルの外に出しています。

メイン基板を外す


スティックキャップを外します。
特別な固定もないので、上方向に軽く引っ張るだけで抜くことができます。


ネジCを4箇所外します。


白いプラスチックの部品を奥に押し込みます。



パチッという音がして部品が外れます。



基板を持ち上げ、手前側にスライドさせると外すことができます。
バッテリー基板はまだ固定されているため、純正基板にキズを入れたくない場合は無理矢理引っ張らないようにしてください。


バッテリー基板を固定しているネジを外します。
ネジCが2本、ネジDが1本です。



これで純正プロコンのメイン基板とミドルシェル+モーターを分離することができます。

FireBirdメイン基板を取り付ける


こちらの基板をミドルシェルに取り付けます。




キットに付属するリボンケーブルも使用可能ですが、素体の純正プロコンがあるのであれば流用してしまった方が楽です。
適切に折り目が付いた上で1cmほどケーブルが長いので、基板に繋げたり閉めるのが少し簡単になります。
3枚目の画像の左側をメイン基板側に接続します。
青い部分が根元から折れている方をメイン基板側にする、と覚えておくと良いです。



FireBirdメイン基板にリボンケーブルを接続します。




ミドルシェルにFireBirdメイン基板を取り付けます。



白いプラスチックの部品を再度取り付けて、手前側に押します。


緑丸で囲った部分をネジCで4箇所固定します。



モーターを使用しない場合はケーブルを基板の下に押し込んでおきましょう。



スティックキャップを取り付けます。


以上でメイン基板の組み付けは完了です。

HD振動を使用する場合

切ったケーブルをFireBirdメイン基板にハンダ付けするだけです。


作業しやすいようにケーブル端の被覆を剥いておきます。
この時に予備ハンダしておくと後がスムーズです。



メイン基板上のモーター用パッドに予備ハンダしておきます。



ケーブルをハンダ付けします。
この時、極性は左右モーターで合わせるようにしてください。


振動機能を利用する場合の組み付けはこれで完了です。

ボタン基板(ABXY)組み付け手順

FireBird側のボタン基板を分離する


検品の都合でFireBird側のボタン基板2枚が接続された状態となることがあるため、これを先に外します。
最初から分離されていた場合はこの手順は必要ありません。





2つのコネクタで繋がった状態になっているので、それぞれのロックを外します。


基板が外れます。

純正プロコン側のボタン基板を分離する


コネクタ1つとネジCで固定されています。
今回の例では先にネジを2本外しています。




コネクタのロックを外し、基板を引き抜きます。



そのまま持ち上げて取り外すことができます。

FireBirdボタン基板を取り付ける


基板がネジCで直接固定されているので、これを外します。



ネジを2本外した後は簡単に持ち上げて基板を外すことができます。
長期間使用した個体などは基板にラバーパッドが軽く貼り付いていることがあるので、基板の表面は確認するようにしてください。



FireBirdボタン基板を取り付けて、緑丸の箇所をネジCで固定します。
ボタン基板(LR)を使用しない場合、「ボタン基板(ABXY)とボタン基板(LR)の接続」に進んでください。

ボタン基板(LR)組み付け手順

純正LR基板は両面テープで固定されているため、ネジ固定だった他の2枚と比較すると少し難しくなります。
先細のピンセットなどがあった方が作業しやすいかと思います。
LRのLEDを使用しない場合はこの手順は必要ありません。

ボタンを外す




LRボタンを外側に押し出すようにして外します。



ZLRボタンを固定しているピンを引き抜きます。
それ以外に固定箇所はないため、自然と外れます。

ラバーパッドを外す



LRボタン裏にあるラバーパッドを外します。
シェルに軽く引っ掛けてあるだけなので簡単に外れるかと思います。




ZLRボタン裏にあるラバーパッドを外します。
こちらは結構しっかり留まっているので、上方向に強く引っ張るようにして引き抜きます。

純正LR基板を剥がす




ピンセットなどを使用してテープを剥がします。
完全にテープのみで固定されているので、剥がし終わったらそのまま外せます。

FireBirdボタン基板(LR)を貼り付ける



まず裏面の台紙を剥がします。




元の純正LR基板と同じように貼り付けます。

ラバーパッドを取り付ける


LRボタンのラバーパッドはシェルの突起に引っ掛けて取り付けます。



ZLRボタンのラバーはシェルの穴にラバーの突起をあてがい、裏から引っ張って取り付けます。

ボタンを取り付ける



LRボタンは単純にはめるだけです。




ZLRボタンはシェルにはめた上でピンを差し込んで固定します。


最終的にこのような外観となれば完了です。

ボタン基板(ABXY)とボタン基板(LR)の接続

シェル同士を固定する



シェル同士を合わせて、緑丸の箇所をネジCで固定します。

基板同士をコネクタで接続する



純正LR基板、FireBirdボタン基板共通で接続する必要があります。



こちらは純正のLR基板を使用する場合は必要ありません。


最終的な外観です。
以上でボタン基板の組み付けは完了です。

コントローラーの組み立て

基板同士をリボンケーブルで繋げる


ボタン基板側のロックを外します。



メイン基板側に繋げているリボンケーブルの端をボタン基板に繋げて、コネクタのロックを倒して固定します。

シェルを閉める



リボンケーブルをシェルで踏まないように閉めます。


緑丸で囲った箇所をネジCで固定します。


バックシェルをはめて、緑丸で囲った箇所をネジBで固定します。



左右にグリップをはめて、緑丸で囲った箇所をネジAで固定します。



シェルを閉めた後、USB接続してデバイスとして認識したら組み立ては完了です。

おわりに

FireBirdの組み立て手順は以上の通りとなります。
基本的にネジを締めるだけの作業なのですが、パーツが多いのでやたらと長くなってしまいましたね...
純正ボタン基板でも感度は別に悪くないので、ボタンLEDがないと使う気が起きない、という人以外はメイン基板のみでも十分使えるのではないかなと思います。

ProGCCとの差異について

未だに質問されることがあるのと「FireBirdはProGCCのフォーク」といった書き込みも見られることから一応触れておきます。
メインのマイコンがRP2040という点以外は周辺回路もファームウェアの制御も異なっており、コントローラーとしては全くの別物です。
唯一、ProGCCの開発元であるHandHeldLegendが販売しているRETRO-Cケーブルというものに対応していますが、その対応のさせ方も内部的にはやや異なります。
スマブラ専用コントローラーとして使う場合の差異に関しては体感大きく変わらないと思いますが、実際の細かい設定項目はほぼ別物になっています。
FireBirdに関しては最近の更新内容がPCゲー想定というのもあって、スマブラ用の機能に加えてFPSやアクションゲーム向けの汎用多機能パッドに寄った設定が多くなっています。

スティックの細かい調整に拘らず、スマブラ専用コントローラーとして大雑把に見るのであれば、開発元が日本か米国か、の違いくらいしかないとは思います。
海外製品であることから日本人からするとProGCCはハードルが高いですが、サポートは十分に手厚く開発者の方もかなり精力的なので、普段のコミュニケーションが英語メインの方であればそちらの方が良いかもしれません。
無線対応版は日本だと技適違反となるのでその点は注意が必要だと思います。
逆に、日本国外からFireBirdを購入するのもハードルが高いようです。
販売に使用しているBoothというサービス側で海外発送は対応しているのですが、恐らく仲介業者の手数料が高い?ようです。(情報求む)