はじめに
高性能なGBA用フラッシュカートである『EZ-FLASH OMEGA』と『EverDrive GBA Mini』の2つについて紹介します。
カタログスペックは割とそっくりで、どちらを買った方が良いか分からないという人は参考にしてください。
結論から言うとハード的な取り回しの良さはEverDrive、ブートローダーの完成度はEZ-FLASHに軍配が上がります。
と言ってもEverDriveのブートローダーが悪いという訳でもないので、総合的にはEverDriveの方をおすすめします。
EZ-FLASHの方は新型であるDefinitive Editionなるものが出ていたりしますが、通常使用する分には機能面の大きな違いはないので今回は紹介しません。(持ってないだけ)
EZ-FLASHはAliExpress、EverDriveの方は公式サイトから購入が可能です。
EZ-FLASH OMEGAは7000~8000円(Definitive Editionは11000円くらい)、EverDrive GBA Miniは15000円程で購入できます。
消費電力
消費電力と駆動時間についてざっくりと調べました。
使用状況によって左右するので参考程度にどうぞ。
IPS液晶にも色々種類があるのと、輝度設定などによってかなり消費電力が変わるのでその辺は本当にざっくりです。。。
消費電力(mA) | |
基礎消費電力(純正液晶) | 90mA |
基礎消費電力(IPS液晶) | 160mA |
純正カートリッジ | 10mA以下? |
海賊版カートリッジ | 30mA |
EZ-FLASH | 110mA |
EverDrive | 60mA |
外観
初期設定
EZ-FLASH
公式サイトから「Kernel X.XX and Firmware X.X」、「Cheat Library」、「Thumbnails Pack」の3つをダウンロードします。
それらを解凍して出てきたファイル・フォルダを全てMicroSDカードのルートにコピーし、EZ-FLASHに差し込んだらRボタンを押しながら起動します。
このような画面になって自動的にカーネルの書き込みが開始されます。
カーネルの書き込み中に電源を落としたりするとカーネルが破損し、以後同じ手順でカーネルの書き換えなどができなくなります。
破損した際のリカバリーはこちらを参照してください。
書き込みが完了するとブートローダーが起動して使えるようになります。
ブートローダーの使い方
EZ-FLASH
ブートローダーのスキンを弄っているのでデフォルトのものとは異なります。
この画面でできる操作は以下の通りです。
Aボタン・・・選択
Bボタン・・・戻る
上下キー・・・ファイルの選択
L/Rボタン・・・タブの選択
STARTボタン・・・最近遊んだゲーム一覧
SELECTボタン・・・ゲームのサムネ表示
開発元が中国ということもあり、マルチバイト文字の表示にも対応しています。
少し怪しい所はありますが、EverDriveとは異なり動作不良を起こすようなことはありません。
ROMを選択するとこんな感じにメニューが開きます。
選択肢の詳細は以下の通りです。
Clean boot・・・起動
Boot with addon・・・アドオンを適用して起動
Write to NOR clean・・・NORフラッシュに書き込み
Write to NOR with addon・・・アドオンを適用してNORフラッシュに書き込み
Save type・・・セーブ方式を指定(基本AutoでOK)
アドオン
アドオンを適用すると以下の機能が使えるようになります。
不具合の原因となる場合もあるのでその際はOFFにしましょう。
ブートローダーに戻る
ステートセーブ/ロード
チート
スリープ
L+R+STARTを押すとこのようなメニュー画面が開きます。
QUIT・・・ブートローダーに戻る
SAVE・・・ステートセーブ
LOAD・・・ステートロード
L+R+SELECTを押すとスリープモードとなり、START+SELECTでスリープから復帰します。
また、これらのキー操作は改造GBAに搭載するモジュールの機能(クロックアップ、輝度調整など)と重複する場合があります。
その際は後述するブートローダー側のオプションからキーが変更可能です。
NORフラッシュ
フラッシュカートに直接ROMデータを書き込み、通常より高速にROMの起動ができるようになる機能です。
SDカードからの起動が遅かったりRAMのサイズが16MB(SDカードから32MBのROMが起動できない)だった頃の古い製品で対策として用意された機能なので、今使用するメリットは殆どありません。
サイズは64MBで、それに収まるサイズであれば自由にROMデータを書き換えて使うことができます。
オプション
RTCやアドオンの設定がこちらから行えます。
Time・・・RTCの時刻設定
Addon・・・使用するアドオンの選択
Language・・・ブートローダーの言語設定
Engine・・・高速パッチエンジンの有効化
Sleep key・・・スリープ状態に入るキーの変更
Menu key・・・QSQLメニューに入るキーの変更
Game RTC・・・RTCの有効化
EverDrive
デフォルトのEZ-FLASHと比べても大分シンプルです。
スキンの変更ができるかどうかは調べていませんがやっている人はいないような気がします...。
この画面でできる操作は以下の通りです。
Aボタン・・・選択
Bボタン・・・戻る
上下キー・・・ファイルの選択(1ページにつき15件のみ表示されます)
左右キー・・・ページの移動
STARTボタン・・・最後に遊んだゲームを起動
SELECTボタン・・・メニューを開く
EZ-FLASHと同様、ROMを選択するとこんな感じにメニューが開きます。
選択肢の詳細は以下の通りです。
Start Game・・・起動
Rom Info・・・ゲームコードなどROM情報の表示
Rom Settings・・・RTCの有効化、セーブタイプの選択
Hex View・・・バイナリデータの表示
Delete・・・ファイルの削除
EZ-FLASHのようなアドオン機能はありませんが、ゲーム毎にRTCの有効化を切り替えることができます。
とはいえRom Settingsの中身についてはゲームIDを参照して適切な項目が選択されるので、基本的には変更の必要はないかと思います。
バイナリデータの表示は割と謎機能ですが、適当なファイル名で中身が分からない場合はここから確認すれば何のゲームか判別することができます。
注意点として、名前にマルチバイト文字が含まれたファイルは表示・選択することができません。
平仮名・カタカナ・漢字が使用できないので日本語のファイル名は基本的に不可です。
メニュー
Options・・・オプションを開く
Recently Played・・・最近遊んだゲーム一覧
Start Random Game・・・ランダムにゲームを選んで起動
Device Info・・・カートリッジ本体の情報を見る
Diagnostics・・・システム診断を実行する
About・・・Everdriveについての製品情報を見る
オプション
Swap A/B・・・ABボタンを反転する
Quick Boot・・・ゲーム選択後のBIOS画面をスキップする
Hide GBASYS・・・GBASYSフォルダの非表示
File Sorting・・・ファイルの並び替え
使ってみた感想
両者共通の仕様は以下の通りです。
MicroSDカードに入れたGB/GBC/GBA/FCのROMを起動できる
全てのセーブ形式に対応
RTC対応
32MBのソフトが3秒程度で起動できる(昔の製品は16MBで1分ぐらい掛かっていました。。。)
EZ-FLASH
機能が多いのはこちらですが、SDカードの抜き差しがかなりしづらい印象です。
因みに後継のDefinitive Editionでもそのままです。
EZ4の頃はバネ式で使いやすかったのにどうしてこうなった...。
良い所
日本語のファイル名が使用できる
RTC設定から日時が細かく指定できる
アドオンを適用することでゲーム中にQSQLやスリープ機能が使用できる
NORフラッシュに書き込むことでゲームの高速起動が可能
DS LiteのGBAスロットに収めることが可能
EverDrive
ブートローダーの見た目通り、ソフトの機能自体も実用性のあるものに絞られている印象です。
ハード面については寸法がしっかり純正に合わせられていたりSDカードの抜き差しがEZ4以上にしやすい仕様だったりと、使う側の目線に立って作られている感じがします。
但し高いです。。。。
良い所
カートリッジを抜かずにSDカードの抜き差しができる
カートリッジを抜き差しする際の感触が純正カートリッジとほぼ同じ
初期設定が簡単でROMの書き換えを行う操作がないため、カーネル破損などのリスクがない
ハンダごて要らずでボタン電池の交換が可能(汎用のCR1220ボタン電池をソケットに差し込めばOK)
機能はEZ-FLASHに劣るが、必要なものは押さえているので実際はほぼ気にならない
気になる所
価格が高い
日本語のファイル名が使用できない